●時事問題のための宗教③
2012年 02月 08日
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最近の問題で解答が“インド”だったこの問題を覚えていますか?
2011年度 第7回テーマ「アラブの春」
① まずは基礎知識の確認。そもそもアラブって何?というところから。 まずアラブ人とは「元来は、アラビア半島に居住しアラビア語を母語とするセム系の民族。イスラム教の発展に伴って、現在では西アジアから北アフリカ各地にかけて住み、アラビア語を母語とする人々をいう。アラビア人。」(Yahoo!辞書より) で、そのアラブ人が多くいる地域を指してアラブ、あるいはアラブ世界ということらしいです。では次のうち一般にいわれる「アラブ世界」の国でないのはどれ?
A イラク
B クウェート
C インド
D シリア
これは中1社会の問題。まずカレーでも食べて考えますか。
インドはアラブ世界ではないという答えですが、地理的にアラブ世界に近いためイスラム教の影響を非常に受けています。
現在のインドや周辺の地域はそもそも紀元前5世紀「仏教」発祥の地です。その仏教を興したお釈迦様が生まれたころは「バラモン教」の時代でした。しかし「イスラム教」勢力が12世紀~18世紀中ごろ(ムガール帝国)によってその後仏教は完全に衰退してしまいました。18世紀後半からはキリスト教国のイギリスに支配・統治されていましたが、実際にはキリスト教は広まらず、4世紀ごろから広まっていた「ヒンドゥー教」が現在ではインド人口の78%が信仰しているようです。キリスト教人口は約2%、イスラム教人口は13%ほどのようです。
ちなみに、インドの食事と言えば、、、カレー!でしょう。
では、インド人の男性といえば、、、↓↓↓


やっぱりターバンを巻いで、口ひげたくましいのがイメージですよね。やっぱりカレー専門店の看板には、ターバンを巻いたインド人(らしき)絵があったような、、、なかったような、、、。
年齢層が高くなると、「インドの猛虎・タイガージェットシン」の姿がまぶたに焼き付いているかもしれません。

私は、とにかく由緒正しいインドの男性はターバンを巻くと思っていました。
しかし、イスラム教やヒンドゥー教では男性はターバンを巻きません。実は、ヒンドゥー教とイスラム教が交わった時代に生まれた新しい宗教がインドにはあります。それは、「シーク教」と呼ばれています。男性は髪を短くしないしきたりのため、ひげは長く、伸びた髪はターバンを巻いて押さえるいるそうです。
では、どうしてインドの男性=ターバンに口ひげというイメージが日本に定着したのでしょうか?「シーク教」はインド人口全体の2%弱。キリスト教徒よりも少ないそうです。
それは、インドがイスラム教のムガール帝国に支配されていた時代から、キリスト教のイギリス帝国に移る過程で起きました。1857~58年に起きたインド大反乱(セポイの乱)ですね。教科書とは違う視点で解説すると、イスラム貴族層+ヒンドゥー教VSキリスト教イギリスの戦いでもありました。
結果、イギリスの支配が絶対的になり、インドの地元に住む、仲の良くないイスラム教でもカースト制度のないヒンドゥー教でもない人たちにインドの主要な部署を任せようということにしました。そうなるとインドのエリート層や政府、役所の主要なポジションは、シーク教の人たちの割合が増え、イギリスが世界帝国と発展してくにつれてシーク教のエリートたちも世界で活躍するようになったようです。
カースト制度のないシーク教では実力で出世ができるという点も良かったようです。人口の大部分を占めるヒンドゥー教の人たちはどうしても身分制度であるカーストにしばられてしまい裕福になることができないでいました。しかし、IT産業などは今までになかった職業のためカーストに縛られることがないので、裕福を目指すヒンドゥー教の若者は熱心に勉強をしてインドの発展を支えています。
インドは複雑な宗教の歴史から国の職業構造にいたっています。ちなみに、インドのシン首相もシーク教です。きっと写真などを見れば、ターバンを巻いているはずです。
さきほどの写真のみなさんも、きっとシーク教の方々でしょう。(推量ですが、、、)
インドのこれからの経済発展や隣国パキスタンとの問題なども宗教からちょっとのぞいてみると興味深いと思います。そして、帝国主義時代の欧米は、支配した地域では少数派の宗教を信仰する人たちに支配の手伝いをさせるという技を使ってうまい具合に植民地を広げていった経緯もあります。
なかなか深い話なのですね~。
by n-susan | 2012-02-08 02:23 | きょういくのこと | Trackback | Comments(1)
光輝く金色の髪に透き通る肌に潤んだ瞳。美味しそうに光る口唇

