●高校入試の事前相談④
最後にまとめると、
事前相談(=教育相談、入試相談)というカタチで中3受験生が入学試験を受験する数か月前に合否の目安を相談することはかなり前からおこなわれている。
かつては中学校と私立高校の先生同士での談合だった。現在は中学校だけでなく学習塾ともおこなうようになっている。また地域によっては生徒・保護者と直接面談をおこなう場合もある。(通知表や偏差値表持参)
基準値がある。内申点や偏差値に一定の基準があり合格の目安が示される。基準ラインをこえた場合は「確約」といって入試を欠席しない限り絶対合格と思っている人もいるがそれは間違い。「確約」のはずなのに不合格のケースを見ているので。。。
そして、中学校だけでなく高校も子どもが一般的な受験をするご家庭のほとんどがこの制度?に関わっている。否応なしに関わらざる負えないのが中学生の子どもを持つご家庭だろう。私のような小さな学習塾でさえ通塾している生徒のために関わらざる負えない。ごくごくふつうの学習塾だからだ。
今日も私立高校の入試担当の先生と来季の募集について話をしていた。一連のこの事前相談などの件についても少し話をした。高校ごとで内情は異なり受験生の多い学校、受験生の少ない学校、学力レベルの高い学校、低い学校、付属の中学校や付属の大学がある学校、それぞれの高校がかかえている事情があるので事前相談や確約などの温度差は正直言ってかなりある。
それでもできるだけ不正のないように、より学力の反映される、入試が形骸化しないように、そして中学校にも学習塾にも、そしてなにより受験してもらえるように中3生・保護者に対してもかなり努力しているように私は思っている。
入試担当の先生とは15年ほどの面識だ。高校の先生なのに入試担当の責任者になったばかりに、私の教室から進学した生徒一人ひとりの状況や学校生活の様子までお話しくださる。生徒からは担当の授業に対するプレッシャー、大学進学実績を伸ばしていかなければ上司からのプレッシャー、受験者数を確保なければ経営陣からのプレッシャー、、、と見ているこちらの方がかわいそうになってくる始末。
事前相談のことをわいわい言うなら同じように公立高校の部活動推薦も問題にして欲しい、、、と。得点開示がされるようになっている今、中学校と公立高校の部活動同士の談合も問題になるかもしれない。新設公立高校の斡旋合格もほじくられるかも。
そして、絶対評価の内申点を学力選抜である入学試験で用いるのがことの本質かと。
学力選抜である入学試験の公平性というなら、私も同感だ。ただし、公平性を目指そうとすればめざすほど不公平になると思う。ルールを統一して厳しくすればするほど不公平感は増す。
脱線話だが、
高校入試の事前相談もあるべき姿に落ち着くのが一番いい。普通高校ぐらいは卒業させたい+難関大学に合格させろ=事前相談の本質。普通高校いったあとは大学ぐらいは卒業しないと就職できない!が作り出したのは、だれでも入れる大学だ。難関大学に合格させろ!が作り出したのが学力偏差値主義だ。私立高校こそがユニークな教育をやれるのにこの2つのニーズしかなかったために「事前相談」というカタチが必要だった。
私立高校は、公立不合格者の受け皿か難関大学合格マシーンかスポーツエリート校か、、、もっといろんなことを教えてくれる私立高校がこれからどんどん増えるはず。世の中のニーズを見ればそうなっていく。
そして事前相談を解決する方法はかんたん!落ち着くところに落ち着かせるには、、、、
公立高校も私立高校もガチンコ勝負なのだ。すべての高校が求める生徒像を示し、メリット&デメリットを示し、義務教育じゃないんだから合否判定は高校にまかせる。教育内容も好きにさせる!
やっと中学生も行きたい高校が決められる。
極端に見えるかもしれないがこういう流れになっていく。学習塾も勉強だけを教えればいいという時代は当の昔に終わっている。しかし、勉強すらできない子どもが増えているのも実情。義務教育を謳うのであれば義務教育期間の徹底をはからなければ、その後の進路選択も大きく変わっていく。
だから未来の事前相談は、人物評価相談になるのだろう。 なんてね。
by n-susan
| 2015-08-30 19:47
| きょういくのこと