●酸欠
受験学年の中3生は、駅伝部と吹奏楽部をのぞき部活動は引退している。引退と言うと自らの意志で身を引くことだと思うので、最後の試合に負けると即引退という生徒たちの言葉に対して何か他の表現はないか考えたこともある、、、がまあ「引退」でもいいような気もしている。
その中3生の1人が部活動を引退してているも関わらず、さらに多くの生徒は疲れて欠伸が出てしまう時にはすまなそうな身のこなしをするのに、堂々と大口を開けて悪びれず欠伸を連発するので、仏の鈴木としてはまず彼の生活習慣を尋ねてみた。
乱れた生活習慣を送っているような感じもしなかった。部活がない、ということ以外はふだんの生活リズムのようだ。授業で分からないことがあれば質問はするし、学習態度は優良ではないが可といったレベル。素直に課題にも取り組む。強いて言えば、集中力がやや切れやすい程度。先生が気にして言葉をかけてあげればすぐに指示に従える子だ。
そうなると残るは、学習姿勢だ。たしかに猫背過ぎる姿勢ではある。机より20センチほど離れた位置でノートをとったり問題を解いたりする。背骨が自然な傾斜をしている姿勢のよい子と比べると前のめり過ぎである。
確かに姿勢が良い方が授業への集中度は良い。私も姿勢の悪すぎる子には注意をするが、姿勢良くしなさい!という指示で一時的に良くはなっても継続的に良くはならない。小さい時から培ってきた生活習慣だからだ。一日の背反を生活する学校でも姿勢についてはちゅういされていないと生徒たちは言う。きっと注意しても効き目がないからやめてしまったのかもしれない。そして私も姿勢が悪いときている。
なので、彼のような場合には、どうして姿勢がよい方が集中力が持続するのか、という理由を少々時間を取って話している。
姿勢が悪い=猫背の状態、という条件の場合である。それ以外の授業中に姿勢の悪い状態は問答無用で修正するのは私の流儀だ。理由は一切聞かない。
疲れていて眠かったり、だるかったりすると良し姿勢が保てないのはどうしてなのか。姿勢が悪いとさらにやる気が出なかったり、肩や腰が痛くなったり、余計にねむくなったりするのはどうしてなのか?
そもそも呼吸にあると生徒には説明する。授業開始時から姿勢の悪い生徒はいないのである。そんな生徒がもしいればそれはそもそも授業を受ける気持ちがないに等しい。
大切なのは呼吸だと説明する。
彼の場合にも同様の話をした。
① 最初はがんばって背筋を伸ばしていても、日ごろの姿勢の悪さも手伝って徐々に猫背になってくる。
② すると呼吸が浅くなる。呼吸が浅くなると身体全体に酸素が回らなくなる。
③ そのせいでどうしても頭も働かず、眠くなり、姿勢も余計に悪くなる。
脳にも適切な酸素が回らずに欠伸もでてしまう。
※伸びをしたり、首を回したりして体をほぐすと一時的にはリラックスできるが、、、、すぐに元に戻ってしまう。
それは、肺全体に酸素をいれるような深い呼吸法をマスターすれば改善される、というほんまでっかな理論だ。
しかし、信じる者は救われるのたとえの通り、お腹から胸にかけて深く呼吸をゆっくり繰り返すと自然と胸が伸びて姿勢がよくなるとは彼らは気付かない。さらにゆっくり呼吸をすると特に筋肉や脳にも酸素が回り体が疲れにくくなるというそれっぽい理論もあながちウソではないようで欠伸のでるような子はいなくなる。
等の本人も私の授業中は問題演習の解答を口頭で答えるという義務を免除される代わりに、ロングブレスダイエットよろしくゆっくり口と鼻で呼吸をしながら黙々と問題をとくという権利を得る。
全然眠くなりませんでした、という感想を授業終了直前にみんなに伝えることで周囲のみんなも驚いていた。なぜなら彼は学校ではどの授業も眠っているというチクリもでるほどに。
勉強はしたいけどどうしても眠くなってしまう、という生徒にはこの超深呼吸理論を伝授して好評を得てきたが、最近は案外イケてるような気もしている。
すべては酸欠のせいにしている。
体内酸素欠乏こそがすべての原因です。
by n-susan
| 2013-09-14 01:55
| よけいなこと